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聞き書き−草野心平と小松屋旅館小松屋旅館 井出茂さんに伺った。 小松屋旅館は、暖簾に「草野心平ゆかりの宿」と銘打っている。その由来というのは、茂さんのお母様から始まる。 お母様は戦争のときに満州で看護婦をしていたという。心平先生も中国に住んでいたことがあるため、川内に来村した時にこの話で意気投合し、お付き合いが始まった。 心平先生は、非常にお酒が好きで、川内に連れてきた自分の友人が宿泊する時はよく小松屋旅館で飲んでいたそうだ。 茂さんは、酔っ払った心平先生を車で天山文庫まで送っていった。気分がいいときは、車の中で歌を歌ってくれる。 「お前らにはこの歌は早すぎるなぁ〜」といいながら、シャンソンを歌ってくれた。茂さんは、それがとても心に残っているそうだ。 「心平先生を川内村に連れてきた、長福寺の住職、矢内俊晃さんが生前乗っていた自転車が、長福寺の山門に、時が止まったようにおいてあるんだよ。」と、茂さんが教えてくれた。 心平の詩集「雲気」の中に、「自転車のハンドルのところの籠に孫と大根をのつけて和尚が坂道をあがつてくる。」と書いてある。山門にあるのは、その自転車なのだ。 長福寺の門を通ると、古い自転車がある。なぜ、寺の門に古い自転車が…と思われるかもしれないが、矢内俊晃和尚の思い出の自転車だったのだ。
取材日 平成16年1月(川内村商工会N)
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